MT4で稼働できるEAを入手してFX自動売買を始める前に、バックテストを実施してEAの特徴を見極めることは大切です。バックテストとは、過去の相場でEAを稼働させたら利益が出たのかを確認するテストのことであり、良いEAを見極めるための重要な方法の一つとなります。バックテストができるようになると、EAに対するリスクと利益を様々な設定でシミュレーションできるので、実際にMT4でEAを稼働して自動売買をおこなうイメージがわくようになるでしょう。
EAをお持ちでない場合は、MT4EAの無料配布サイトでダウンロードすることができます。シュミレーションに役立ててみてください。
バックテストだけでなくフォワードテストの結果を確認することも非常に大切ですが、本記事ではバックテストについて解説をおこないます。
バックテストをおこなうには、検証に使う過去の相場のチャートデータ「ヒストリカルデータ」が必要となります。ヒストリカルデータの精度によってもバックテスト結果の精度は変わるので、バックテストの精度を上げるためには外部からヒストリカルデータをインポートすることをお勧めします。MT4内蔵のデータは期間が限られており、FX業者が提供しているデータの方が期間が長く、バックテスト結果の精度を上げられると期待できます。理想は10年間、最低2年間から3年間の期間のバックテストをお勧めします。
バックテストの手順としては、バックテストをしたいEAをMT4にインストールして、まずはバックテストの設定画面でバックテストするEAを選択し、バックテストをしたい通貨ペアを設定し、期間(バックテストの開始日と終了日)やスプレッドなどを設定します。もちろん、ここで選ぶ通貨はヒストリカルデータを取得した通貨を選んでください。時間足は1分足から日足まで選ぶことが出来ます。詳細な設定は口座の種類やEAの種類により変わってきます。
バックテスト結果をグラフでみてみると、口座残高の増減がグラフで把握できますので、なるべく高低差がなく、ゆっくりと右肩上がりになっているかどうかを確認しましょう。高低差が激しいEAは、実際に運用した時にも口座残高が急降下する可能性があるでしょう。
バックテスト結果を確認することは大切ですが、バックテスト結果が良くても、将来の相場でも必ず利益が出るとは限りません。業者が公開しているバックテスト結果は、設定を過去の相場に合うように過剰最適化している場合もあります。過剰最適化されたバックテストの結果は昔の特定の相場にしか当てはまらないような結果になってしまうので、現実の相場には参考になりません。バックテストの対象期間に関して、もし終了日が販売開始日の数年前の日付になっていれば、バックテストの結果が良かった期間だけを意図的に選んで抜粋している可能性があります。全ての相場で勝てるEAは存在しないと言ってよいので、適度な勝ち負けを繰り返していることか観察できるのが正常です。
バックテスト結果が将来の相場にあまり参考にはならないことはお分かりいただけたと思いますが、一方、バックテストを全くしていなければEAの強みや弱みを把握することができません。バックテストをしたことがなければ、自動売買で損失が続いた時に、一時的なものなのか、トレードロジックが間違っているのか、EAに問題があるのか、判断できないでしょう。MT4でEAを稼働させてFX自動売買をおこなう際は基本的にはEAに任せておいて問題ないはずですが、明らかに問題があるEAだと判断した場合は交換するという判断ができるようになっておくべきです。ご自身である程度設定を変えたい時の参考にもなります。ハイリスクハイリターンの設定、ローリスクローリターンの設定など、ご自身の好みの設定をバックテストで試してみるのもよいでしょう。